価格相場は、1,000万円から5,000万円程度(※1)といわれていますが、ロールコーターは仕様や用途によって価格帯に開きがあり、様々なメーカーがホームページ等の案内では価格を「応相談」としています。これは、導入する企業の要望や製造ラインの環境に合わせたオーダーメイド設計が基本となるためです。
研究開発(R&D)向けの小型装置や簡易的な卓上コーターと、工場などで稼働する量産向けの大型ラインとでは、かかる費用に違いが生じます。通販サイトで確認できる簡易的なバーコーターや手動アプリケーターであれば数万円から数十万円程度で購入可能ですが(※2)、本格的な産業用ロールコーターとなれば一千万円単位の投資になる可能性も。まずは自社の要件をまとめたうえでメーカーに見積もりを取ることが推奨されます。
※1参照元:イプロス ものづくり/ロールコーター参考価格(2026年3月調査時点)
https://mono.ipros.com/cg2/ロールコータ/
※2参照元:モノタロウ(2026年3月調査時点)
https://www.monotaro.com/s/q-ロール コーター/?srsltid=AfmBOopBWDSBf8j7eAW9KzZ0VKOe9ggkfUaqW8f3hWnSQzQ-J60xqhf6
費用に影響を及ぼす3つの要素について解説します。
ロールコーターの費用に影響する要素の一つが塗工方式です。例えばダイヘッド方式の場合、ダイヘッド自体の単価が比較的高水準であることに加え、液材をヘッドへ供給するためのタンクやポンプ、配管などの周辺ユニットも必要になるため、他の方式と比べて費用が上がる傾向にあります(※)。
コンマヘッドなど他の方式と比較検討し、自社の工程においてダイヘッド方式が本当に必要かを吟味することがコスト管理に繋がります。ヘッド部分を交換できる装置を選び、初期段階は別のヘッドを取り付けて利用を開始することで初期費用を抑える方法もあります。方式による費用の違いを理解した上で選定を進めるとよいでしょう。
※参照元:サンクメタル公式HP
https://thank-metal.jp/blog/rollcoater_costs/
塗工する基材の幅も費用に直結します。ロール幅が広いほど装置全体が大型化するため、それに伴い製造費用も上昇する構造です。
装置の対応幅は50mmから600mm程度まで多様な仕様が存在し、メーカーによってはさらに広い幅に対応する機種もあります。ロール幅は導入後に変更することができないため、初期費用を抑える目的だけで小さい装置を選ぶのではなく、将来的な開発計画や製造要件も考慮してあらかじめ必要な幅で決定する必要があります。自社の生産品目のサイズに応じた余裕のある設計が求められます。
※参照元:サンクメタル公式HP
https://thank-metal.jp/blog/rollcoater_costs/
ロールコーターに搭載する乾燥炉の数も、装置の総費用を左右する要素のひとつです。基本構成として1つの乾燥炉を搭載している装置であっても、液材の乾燥時間を短縮したい場合や、生産ラインの速度を向上させたい場合には、複数の乾燥炉を搭載することになります。
乾燥炉の数は塗工品質そのものに影響するわけではなく、あくまで乾燥にかかる時間をどの程度許容できるかという基準で判断されます。最大6炉まで増設可能な装置もあり、後から追加できるタイプを選ぶという選択肢もあります。生産量と予算のバランスを見極めて検討してください。
装置を取り扱う各メーカーは、それぞれ得意とする技術分野が異なります。例えば、接着剤塗布用のホットメルト塗工に特化したメーカー、リチウムイオン電池などのバッテリー試作を得意とするメーカー、木工塗装に向けた設備を提供するメーカー、フィルムへのスパッタ成膜に注力するメーカーなど、注力している領域が存在します。
選定時には、自社の用途に合う実績があるかどうかに加え、導入前の試作やテスト対応が可能かどうかも比較のポイントになります。自社の生産ラインに合わせてどこまでカスタマイズ対応ができるかも確認しておくべき項目です。候補となるメーカーの実績を比較し、技術的な要件を満たせるかを確認することが設備導入を成功させるコツです。
ロールコーターの価格は、採用する塗工方式、対象となる基材の幅、乾燥炉の設置数という3つの要素によって変動します。製品の性質上、仕様によって価格は応相談となるケースが多いため、複数のメーカーから見積もりを取得して比較検討することが大切です。
まずは自社で必要とする塗工条件や設備要件を整理し、該当分野を得意とする各メーカーへ問い合わせることから始めてみてください。要件を明確に伝えることで、より精度の高い見積もりと提案を受けることが可能になります。
ロールコーターは、扱う基材に応じて製品を選ぶことで、生産性やコスト削減の向上が可能。
ここでは、「PET/PP/PCの基材」「高粘度液を使う基材」「超薄膜が必要な基材」と主要な基材ごとにおすすめの製品を扱うメーカーを紹介します。
反り・収縮・ムラを抑えられる
流れにくい液でもムラを減らせる
静電気・異物によるムラを防ぐ