ロールコーターは、印刷技術を塗装に応用した装置です。回転するロールの表面に塗料を付着させ、コンベア上を流れる平面状の被塗物に転写します。
構成要素には、コーティングロール・バックアップロール・ピックアップロールなどがあり、コーティングロールが塗料を被塗物に塗りつけ、バックアップロールが被塗物を下から支えます。ピックアップロールは塗料パンから塗料を汲み上げ、コーティングロールへ供給する役割を担います。
各ロールの回転速度やギャップを調整し、塗膜の厚さをコントロールします。合板やハードボードなどの建材、鋼板といった金属板のように平面状の基材への塗装に適した方式です。UV塗料にも対応でき、紫外線硬化による乾燥ラインでも使われています。
スプレー塗装は塗料を霧状にして吹き付ける方式です。被塗物に付着しなかった塗料は周囲に飛散し、塗料のロスにつながります。溶剤の揮発も多く、作業環境の悪化が課題になるケースがあります。
ロールコーターはロールで塗料を直接被塗物に押しつけるため、霧状にする工程がありません。塗料の飛散が少なく、スプレー方式に比べてロスを抑えられます。未使用の塗料はロール間を循環して再利用されるため、歩留まりの向上にもつながります。
コンベア搬送と組み合わせることで、連続的かつ高速な塗工に対応できます。手作業に依存していた塗装工程を自動化しやすく、省人化やライン全体の効率化を目指す現場に適しています。
ロール間のギャップ調整により、均一な膜厚を確保しやすい点もスプレー方式との違いです。建材や金属板の塗装では膜厚のばらつきが品質に影響するため、安定した膜厚管理を求める工程で採用されています。
ロールコーターには複数の方式がありますが、ここではダイレクト式とリバース式を解説します。
ダイレクト(ナチュラル)式は、ロールの回転方向と被塗物の進行方向が同じ方式です。薄い膜厚での塗装に適しており、トップコートやベースコートの塗装に使用されます。フローコーターと比べてさらに薄い塗膜を形成できますが、厚塗りには向いていません。建材表面の仕上げ塗装などに用いられています。
リバース式は、ロールの回転方向が被塗物の進行方向と逆になる方式です。ダイレクト式より一度に厚い膜を均一に塗れるため、下塗りをはじめ幅広い工程で使用されています。鋼板の連続塗工ラインでも採用されています。
素材の表面に一定の平滑度が求められるほか、機構が複雑なため導入コストはダイレクト式より高くなる傾向にあります。建材(合板・ハードボード)や金属板(鋼板)のいずれにも対応できる方式です。
ロールコーターは平面状の基材への塗装に向いた装置です。立体物や複雑な形状には対応が難しいため、塗装対象の形状確認が欠かせません。
リバース方式では素材の平滑度が仕上がりに影響します。ロールギャップの精度管理や、幅方向の膜厚偏差への対策も事前に検討しておくと安心です。塗工液の粘度や塗料の種類に応じた方式選びも重要なポイントになります。導入を検討する際は、メーカーへの相談やテスト塗工を行うことをおすすめします。
ロールコーターは建材・金属板の塗装ラインにおいて、塗料ロスや飛散、手作業への依存といった課題に対応できる塗装方式です。自社の工程に合うか、まずはメーカーへの相談やテスト塗工で確認してみてはいかがでしょうか。
ロールコーターは、扱う基材に応じて製品を選ぶことで、生産性やコスト削減の向上が可能。
ここでは、「PET/PP/PCの基材」「高粘度液を使う基材」「超薄膜が必要な基材」と主要な基材ごとにおすすめの製品を扱うメーカーを紹介します。
反り・収縮・ムラを抑えられる
流れにくい液でもムラを減らせる
静電気・異物によるムラを防ぐ