ロールコーターの導入や入れ替えにあたり、設備投資コストを抑えるために中古機の購入を検討する企業は少なくありません。しかし、中古機特有のリスクを把握しないまま導入を進めると、生産トラブルや想定外の費用負担を招く恐れがあります。
本記事では、中古機を検討する際のメリットや事前に確認すべきチェックポイント、新品との判断基準について詳しく解説します。
産業用機械の一種として、中古機械専門の販売業者やオークション形式の売買を通じて流通しています。ただし個体ごとに仕様や稼働状態が異なるため、購入前に確認すべき事項が増える点を押さえておくことが重要です。
中古市場では、取引数は限られるものの数十万円程度で流通している事例が存在します(※)。しかし、中古のロールコーターは個体差があり、明確な価格相場が定まっていないのが実情です。
実際の価格は、塗工方式(ナチュラル・リバース・グラビアなど)や乾燥炉の有無・数、稼働状態によって変動します。新品を検討する場合と同様に、具体的な費用感を把握するためには、対象の機体ごとに個別で見積もりや状態確認を行うことを推奨します。
※参照元:Yahoo!オークション公式HP/2026年7月調査時点
https://auctions.yahoo.co.jp/search/search/ロールコーター/0/
中古機を導入するメリットは、新品に比べて初期の設備コストを抑えられる点にあります。また、すでに在庫として保管されている機体であれば、受注生産となる新品よりも短い納期で導入できる場合があります。試作や検証を目的とする場合や、小規模な生産ラインを構築する際などには、有効な選択肢となるでしょう。
塗工の品質は、ロールの回転ブレやベアリングの摩耗状態に直接影響されます。稼働年数や見た目だけで判断するのではなく、ロールがブレずに回転し、均一な厚みで塗れる状態かを確認することが重要です。
前にどのような環境(基材、塗工液の粘度や温度条件など)で使用されていたかによって、設備の劣化の進み方は異なります。メンテナンス履歴が残っていない場合は、消耗部品の交換時期や内部の傷み具合を客観的に判断しづらくなる点に注意が必要です。
ロールコーターの運用現場では、「使い続けている設備の製造元が廃業しており、交換部品が手に入らない」という問題の発生が懸念されます。中古機を安価に入手できても、製造元が撤退している場合は故障時に部品を調達できず、修理不能となり生産ラインが停止しかねません。そのため、事前に部品供給やメーカーの修理対応が継続している機種であるかを確認しておく必要があります。
ロールコーターは、塗布する基材(フィルムや紙、金属など)や塗工液の粘度、乾燥条件によって、求められる仕様(ロールの材質、溝加工、張力制御など)も多岐にわたります。
自社の生産条件に合わない中古機を導入すると、材料の反りやしわ、塗布ムラなどの不良を引き起こす要因になりかねません。その結果、製品ロスや手戻りによるコストがかさみ、想定外に総コストが高くなってしまう事態を招くリスクがあります。
本格的な量産ラインで長期的に安定稼働させたい場合は、自社の条件に合わせて設計された新品の導入を優先して検討するのが望ましいでしょう。一方で、試作段階や短期的な使用が前提であれば、状態のよい中古機も選択肢に入ります。稼働年数やメンテナンス体制、自社の塗布条件への適合度合いを総合的に比較して判断することが重要です。
中古のロールコーターは、初期コストの抑制や納期の短縮といったメリットがある反面、部品供給の有無や仕様の見極めを誤ると、故障や品質不良によって想定外のコストがかかる恐れがあります。導入を検討する際は、機体の状態確認とあわせて、自社の塗布条件に合致しているかどうかを事前によく確認することが大切です。
本サイトでは、扱う基材別におすすめのロールコーターメーカーを紹介しています。ぜひロールコーター導入の参考にしてください。
ロールコーターは、扱う基材に応じて製品を選ぶことで、生産性やコスト削減の向上が可能。
ここでは、「PET/PP/PCの基材」「高粘度液を使う基材」「超薄膜が必要な基材」と主要な基材ごとにおすすめの製品を扱うメーカーを紹介します。
反り・収縮・ムラを抑えられる
流れにくい液でもムラを減らせる
静電気・異物によるムラを防ぐ