ロールコーターに塗工ムラや異音、液漏れなどの異常が発生した場合は、原因を確認したうえで、清掃や調整で改善できるのか、部品交換や専門業者による修理が必要なのかを判断しなければなりません。
不具合を抱えたまま運転を続けると、製品品質が低下するだけでなく、ロールや軸、駆動部など別の箇所にも負荷が広がる可能性があります。ここでは、ロールコーターで起こりやすい故障の症状や修理箇所、修理会社へ相談する際のポイントを解説します。
まず確認したいのは、不織布の表面へ均一に塗布したいのか、内部まで液を含ませたいのかという点です。表面塗工と含浸では、適した装置や塗工方式が異なります。
仕上がりの外観や付与したい機能、乾燥後の状態まで整理しておくと、必要な方式を絞り込みやすくなります。メーカーへ相談する際も、目的を具体的に伝えられるため、装置の比較や仕様の検討を進めやすくなります。
不織布は、材質や厚み、幅、目付によって液の浸透性や搬送時の挙動が変わります。基材の仕様を正確に把握することが、装置選びの出発点です。
薄く柔らかい不織布は、張力が強すぎると伸びや変形が起こりやすくなります。一方、厚みのある不織布は液の入り方や乾燥に必要な時間が変わります。メーカーへ相談する際は、サンプルとあわせて分かる範囲の仕様を伝えましょう。
ロールコーターの選定では、基材だけでなく塗工液の条件も確認が必要です。粘度や固形分、目標とする塗布量によって、適した方式やロール構成が変わります。
高粘度の液には厚膜塗工に向く方式が候補となり、低粘度の液では浸透や液だれへの配慮が必要です。乾燥後にどの程度の塗布量を確保したいのかも、できるだけ数値で整理しておくと装置を比較しやすくなります。
不織布はフィルムよりも寸法が安定しにくく、搬送中に伸びや蛇行、しわが生じることがあります。塗工部だけでなく、基材を安定して運ぶ仕組みも確認しましょう。
巻出し・巻取りや張力制御、蛇行修正が不十分だと、塗工条件を調整しても品質が安定しない場合があります。導入前には、似た基材の搬送実績や、想定する速度で安定して運転できるかをメーカーへ確認しておくと安心です。
不織布への塗工では、塗布後の乾燥工程まで含めて設備を検討する必要があります。塗工量や生産速度に対して、十分な乾燥能力があるかを確認することが大切です。
とくに含浸方式は液の持ち込み量が多く、乾燥不足や過熱による基材へのダメージが起こりやすくなります。水系か溶剤系かによって必要な設備や安全対策も異なるため、使用する液と不織布の耐熱性を踏まえて構成を決めましょう。
不織布は素材ごとの差が大きく、同じ塗工方式を使っても仕上がりが変わることがあります。量産設備を導入する前に、実際の基材と塗工液でテストすることが重要です。
研究開発段階では、小型機やテスト機を使えるメーカーが検討しやすいでしょう。テスト設備の有無だけでなく、条件出しの方法や量産機への反映、納入後の調整まで、どの範囲を支援してもらえるかも確認しておきたいポイントです。
松岡機械製作所では、不織布などへ塗工液を含浸させるディップコーターを取り扱っています。不織布を液槽に通した後、スクイズロールで余分な液を絞る仕組みです。
ニップ圧を変えることで含浸量を調整できるため、基材内部に持たせる液量を管理したい場合に適しています。基材の両面に液が付着する方式のため、乾燥設備を含めたライン構成についてもあわせて相談するとよいでしょう。
小松原では、コーターをはじめとするロールtoロール設備を、用途に応じて設計・製作しています。テスト用の小型設備から相談できるため、研究開発や試作段階での条件確認にも利用できます。
フィルムやシート、不織布など、さまざまな基材に対応する設備を手がけています。塗工部だけでなく、巻出し・乾燥・巻取りまで含めたラインを検討できるため、不織布の仕様や生産条件に合わせた個別設計を依頼したい企業に向いています。
ヒラノテクシードでは、浸透性のある基材に液を含ませる含浸コーターを展開しており、対象例として不織布が挙げられています。含浸後に対向ロールを通し、付着量や塗工面を調整する方式です。
不織布のほか、クロスやプリプレグなどへの対応も案内されています。含浸コーター以外にも複数の塗工方式を取り扱っているため、基材や液の条件に応じて、どの方式が適しているかを含めて相談できます。
コアボックスジャパンでは、FCコーターシリーズをはじめ、研究・試作用の小型機から生産機まで取り扱っています。不織布向けの含浸コーターの製作例も掲載されています。
ロールコーター、小径グラビア、ダイ、バーなど、複数の塗工ヘッドから用途に合った方式を検討できる点も特徴です。乾燥炉や巻出し・巻取りを組み合わせた設備についても相談できるため、テストから量産まで見据えて検討したい場合に向いています。
不織布への塗工では、表面に均一に塗布するのか、内部まで液を含浸させるのかによって適した装置が異なります。さらに、不織布の材質や目付、塗工液の粘度、必要な塗布量まで踏まえて選定することが大切です。
搬送時の伸びや蛇行、乾燥条件なども仕上がりを左右するため、実際の基材と塗工液を使ったテストに対応できるかも確認しましょう。本サイトでは、基材別に適したロールコーターを提供する企業を紹介しているので、導入先の比較・検討にお役立てください。
メーカーへ相談する際は、実際に使用する不織布のサンプルを用意しましょう。現物に加えて、材質や厚み、幅、目付などの仕様も伝えることが大切です。
見た目が似ている不織布でも、密度や風合いによって液の浸透性や搬送性は変わります。用途や現在想定している工程、最終製品に求める仕上がりもあわせて共有すると、より具体的な設備提案を受けやすくなります。
塗工液については、粘度や固形分、溶剤の種類などを伝えます。液の性質は、塗工方式だけでなく乾燥設備や安全対策の設計にも関わります。
溶剤系の液では防爆や排気への対応が必要になる場合があり、水系でも塗布量によっては高い乾燥能力が求められます。SDSや物性データを用意できる場合は、相談時に提出すると条件確認が進みやすくなります。
不織布にどの程度の液を付着させたいのか、目標値を整理しておきましょう。乾燥前後の塗布量や含浸量を数値で示すと、装置の仕様を検討しやすくなります。
外観を重視するのか、内部への機能付与を重視するのかによって、必要な液量は変わります。片面か両面か、どの程度の塗工ムラまで許容できるかなど、品質を判断する基準もあらかじめ決めておくとテスト結果を評価しやすくなります。
量産設備を検討する場合は、必要な処理幅と生産速度をメーカーへ伝えます。同じ塗工方式でも、求める生産量によって装置の仕様や乾燥炉の長さは変わります。
速度を上げるほど、液の供給や搬送、乾燥を安定させるための性能が必要です。研究用の小型機から始める場合も、将来的な量産条件を共有しておけば、スケールアップを見据えた提案を受けやすくなります。
塗工後に必要な乾燥温度や時間、安全設備についても事前に確認しましょう。ロールコーター本体だけでなく、乾燥や排気まで含めて設備を検討する必要があります。
不織布の耐熱性が低い場合は、高温による収縮や変形を避けなければなりません。また、溶剤系の液を扱う場合は、防爆や換気、排気処理などが必要になることがあります。設置場所や既存設備の条件も早めに伝えておきましょう。
テスト塗工を依頼する際は、その結果を量産設備へどのように反映するのかも確認しておきましょう。テスト機で得た条件を、量産機で再現できるかが重要です。
条件出しから設備仕様の決定、製作、納入後の調整まで、メーカーによって対応範囲は異なります。量産化の段階で再検証が増えないよう、テスト後の進め方やサポート内容をあらかじめ整理しておくと、社内での導入検討も進めやすくなります。
ロールコーターは、扱う基材に応じて製品を選ぶことで、生産性やコスト削減の向上が可能。
ここでは、「PET/PP/PCの基材」「高粘度液を使う基材」「超薄膜が必要な基材」と主要な基材ごとにおすすめの製品を扱うメーカーを紹介します。
反り・収縮・ムラを抑えられる
流れにくい液でもムラを減らせる
静電気・異物によるムラを防ぐ